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サイコパス女とマイク──Gravityルームで起きた支配と排除の心理戦

どうも、太陽です。

 

ある夜、Gravityのルームで起きた出来事だった。ルーム主は自ら「私はサイコパスって言われる」と語る女性だった。彼女はその言葉を半ば誇るように、半ば防衛のために使っていた。

つまり、先に自分でサイコパスだと言ってしまうことで、他人からそう指摘されるリスクを回避していたのだ。だが、その発言には一種の挑発と警戒の混ざった響きがあった。

彼女はルーム主として場を仕切りながら、会話の流れを完全にコントロールしていた。数人が参加していたが、主導権は常に彼女にあり、話題の選択、発言の許可、テンポまでも彼女が掌握していた。

そんな中、僕がマイクを上げた。最初は穏やかに対話が始まったが、数分も経たないうちに彼女の“性質”が見えてきた。

サイコパス的な支配欲、テイカー(奪う者)特有の一方通行な話し方、そして相手を観察しながら会話の主導を握ろうとする鋭さ。

 

彼女はASD(自閉スペクトラム症)でADHD(注意欠如多動症)であり、毒親育ちで、過保護な親のもとで育ったと話した。さらに「過去に親と似たような人を何度も引き寄せてしまう」と言い、どうすればそういう人間を避けられるか悩んでいると語った。

彼女の語り口は饒舌で、自己分析も多かったが、どこか“被害者”としての視点に偏っていた。つまり、「私が悪いわけじゃない。環境や他人が悪かった」という自己正当化が色濃くにじんでいた。

人付き合いよりも仕事が楽しく、友達づきあいは不要だとも言っていた。「親しき仲にも礼儀あり」で、適度な距離を保ちたいという。

ここまで聞くと、一見、自立した女性に思えるが、実際は「距離を取ること」で人間関係のリスクをコントロールしようとするタイプだった。

僕はそこで質問した。「あなたは、人付き合いに何を求めているんですか?」すると、彼女の答えは曖昧だった。

「仕事や人生で何かを頑張っている人とつながりたい」と言うのだが、明確な目的や定義はなかった。

 

さらに、彼女は「香水ビジネスをしたい」と語った。その知識を持っている近所のおばちゃんに相談しようとしたが、その相手がストーカー化したという。つまり、彼女は過去に人との関係がこじれた経験をいくつも持っていた。

本人も「話したら3、4時間になりそうなくらい、人間トラブルが多かった」と笑っていた。だが、その笑いにはどこか自己憐憫の影があった。

「深く関わる前に察知して避けたい」という言葉には、他人を信頼できない警戒心と、自分の心を守るための防御壁が見えた。

 

僕は相手を理解しようと、丁寧に質問を続けた。なぜなら、心理的な「処方箋」を出すには、背景を知らなければならない。しかし、彼女はその過程で突然マイクを外した。

僕の声が途切れ、会話は一方的に断ち切られた。なぜか。僕が「あなたはテイカー(受け取ることばかり考える人)ではないですか?」と聞こうとした直前だった。

つまり、彼女は自分が見抜かれたことを察知したのだ。サイコパスやテイカーは、支配の主導権を失う瞬間を本能的に恐れる。だからこそ、相手の発言を封じることで、会話の支配を取り戻そうとする。

 

僕の直感では、彼女は「支配とコントロール」に異常なほど敏感なタイプだった。支配されることを極端に嫌う人間は、たいてい自分が支配したい側である。

彼女はASDやADHD、毒親というワードを巧みに盾にしながら、自分の特性を“免罪符”にしていた。たとえば、ASDゆえに空気を読めない、自分ばかり話してしまう──それを理解してほしいという構えだ。

しかし実際は、自分の話だけを中心に据え、相手の意見を制御していた。まさにサイコパスとテイカーの中間のような存在だった。

 

サイコパスの特徴は、衝動性が高く、長期的関係を築くのが苦手で、短期的な利益を追い求める傾向にある。情報を得るために一時的に人と関わるが、相手の意見や時間を尊重しない。まさにこの女性がそうだった。

彼女は「解決策」だけを欲していて、長期的な内省や対話を求めてはいなかった。しかし、恐ろしいほど勘が鋭い。僕が「テイカー」という言葉を発する前に、マイクを切ったのだから。

その瞬間、彼女は他の3人のリスナーに何の違和感も与えずに、僕を静かに排除した。まさに、冷徹で計算された操作だった。

 

サイコパスは、他人を騙し、周囲を操り、気づかれずに生息する。そして、自分の正体を暴こうとする者を、先に排除する。今回のルームでの出来事は、その典型的な縮図だった。

彼女は自分に都合が悪くなる前に、感情を使って流れを変え、僕を“マイクオフ”という形で葬ったのだ。まるで、舞台上の登場人物を脚本から削除するように。

 

僕はそのとき悟った。サイコパスは「会話」すらも支配の道具として使う。そして、潜在的に自分の支配を脅かす人間には、一切の発言権を与えない。

これはGravityというプラットフォーム上の出来事だが、社会構造の縮図でもある。権力者が都合の悪いジャーナリストや告発者をメディアから排除するのと同じ構造だ。マイクのON/OFFは、象徴的な“支配のスイッチ”なのである。

 

ただし、彼女の全てを“悪”と断じるのも早計かもしれない。1時間の瞑想を日課にしており、自然を好み、感情の波が激しいという点では、典型的なサイコパスとは異なる。

冷酷な支配者というより、マキャベリスト(策略家)的な傾向を持ったASD型かもしれない。つまり、冷静に計算する部分と、感情的に反応する部分が混ざっている。

彼女が「サイコパスって言われる」と自ら語ったのも、他人からそう見られることを気にしての自己防衛だったのだろう。

 

推測だが、過去にも「あなたサイコパスっぽいね」と指摘されたことがあり、そのとき周囲が離れていった経験をしているのだろう。

僕のように、その核心を突くタイプの人間を「危険」と感じ、同じ結末を避けるために、事前にマイクを切った。

彼女にとって、僕は“かつて自分を暴いた誰か”の再来に見えたのかもしれない。

 

こうして僕は、Gravityのルームから静かに排除された。周りの3人は気づかない。むしろ会話は自然に続き、僕の存在は最初からなかったかのようだった。

その冷静さと演出力こそ、サイコパス的支配の極致である。彼女は会話という舞台の演出家であり、僕はその脚本に不要なキャストだったのだ。

 

この経験を通じて、僕は改めて確信した。サイコパスやマキャベリストに嫌われるのは、悪いことではない。彼らは「見抜く者」を本能的に恐れる。支配や搾取を成立させるには、相手が無知で従順である必要がある。

だから、僕のように洞察し、構造を理解し、冷静に言語化できる人間は、彼らにとって最も危険な存在なのだ。彼らの世界では、僕のような人間は“排除すべき異物”になる。

だが、それでいい。僕はサイコパスに好かれる必要などない。むしろ、嫌われることで自分の防衛本能が証明されたとも言える。支配されず、利用されず、心理戦を見抜く。

その力こそが、僕の最大の武器であり、孤独な時代を生き抜くための防具でもある。マイクを外された瞬間に、僕はこう思った──「これでよかった」と。

なぜなら、支配の外側に立つということは、自由の内側に立つということだからだ。

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