どうも、太陽です。
出版という世界は、華やかに見えてその実、過酷で非効率な構造を抱えている。大手出版社も中堅出版社も、共通して苦しんでいるのは「人件費」と「固定費」だ。
編集者、営業、デザイナー、管理職といった多数の社員に支払う給料、都心のオフィスを維持するための高額な家賃。それらが利益を圧迫し、出版業界全体を重くしている。
一方で、僕のように個人で活動するKindle作家には、その重荷がない。人件費は自分だけ。家賃も経費に計上できる。最低限の生活基盤を築き、固定費を限界まで下げれば、驚くほど少ない収入でも成立する。
僕の場合、実家暮らしという条件もあるが、月5万円以内で生活ができている。だからこそ、月に9万円稼げれば十分であり、それならば年収108万円以内、つまり非課税の範囲内で生きていける。Kindle出版を軸にすれば、それは現実的な数字だと考えている。
Kindle作家として活動するには、物量戦略が最も合理的だ。最低でも100冊は出版し、徐々にKindle内での知名度を積み上げ、読者を増やし、固定ファンを形成していく。
AIを活用すれば効率化は十分可能で、1人でも継続的な出版活動を実現できる。僕自身はセキュリティ分野に強い関心があるため、学びの過程そのものをコンテンツ化し、専門家としての道を歩みながら、その知識を体系的に執筆していく方針を考えている。
まず取り組むべきは、過去に書いた中で再利用できる文章をすべて整理・統合し、出版可能な形に再構成することだ。出版の世界では質が命であり、質を軽視すれば一度離れた読者は二度と戻らない。
その覚悟を持って臨む必要がある。僕の出版方針は一貫して、「実用性」と「独自性」にある。読者の生活に実際に役立つこと、そして他の書籍ではあまり触れられない、独自の情報や視点を提供すること。これが差別化の核心である。
僕が目指すのは、単なる情報のまとめではなく、自らの実体験や検証を通して、読者にリアルで価値ある知見を届けることだ。たとえば、ガジェットのレビューや使い方の解説、サービスやアプリの体験記、そして読書を通じて得た洞察をもとに独自理論を展開する本などだ。
僕は一人のKindle作家として、限られた時間を最大限に使い、生産性を極限まで高めなければならない。そのためには、「人生のすべてをネタにする」という姿勢が不可欠になる。
YouTuberがカメラを回して日常を残すように、僕は思考や経験を文章として残す。それがブログや書籍となり、資産化されていく。
コンテンツ産業における最大の戦略は、この「人生をすべてコンテンツ化する」ことにある。学び、経験し、気づいたことを即座に作品に変換する。この循環が強力な生産エンジンになる。
Kindleにとっても、僕の存在が読者を惹きつけることでKindle Unlimitedの利用者が増えれば、プラットフォーム側にも利益が生じる。つまり、僕、読者、Kindleの三者がすべて利益を得る「三方よし」の関係を築くことができるのだ。
また、僕の活動は出版社や他の作家と直接競合しない。大手出版社が主力としているのは漫画や小説など娯楽系の分野だ。僕が扱うのは実用書や体験記であり、よりニッチで、実生活に密着した内容だ。
本屋に並ぶことはないかもしれないが、全国各地に存在する小さな需要を確実に拾い上げていく。この「ニッチの総取り」こそが個人出版の戦略的優位性である。
ただし、コンテンツ産業の最大のリスクは「ネタ切れ」だ。これを防ぐには、常に好奇心を持ち、新しい体験を積み、学び続ける必要がある。現実からの学びがなければ、実用性のあるノンフィクションは書けない。
エンタメ分野のように“やらせ”や演出で誤魔化すことはできない。だからこそ、僕はリアルな情報源としてGravityという音声アプリを活用している。
そこでは現実に近い本音やオフレコの話が多く、半ばフィクション的な要素を含みつつも、他にはないリアリティを得ることができる。
ビジネス面でも、このKindle戦略は理にかなっている。BMRスモールビジネス研究所の言葉を借りれば、「誰でもできることを、誰もできないほど徹底的にやる」ことが生存戦略の核心だ。
奇抜な発想ではなく、当たり前の施策を愚直に繰り返す。1円でも節約し、慎重にメンバーを選び、1円でも高く売る努力を怠らない。Kindle出版も同じである。オリジナリティがあるかどうかよりも、どれだけやり抜けるかが勝敗を分ける。
僕の強みは、これまで20年以上積み重ねてきた執筆力と、極限まで無駄を省いた生活スタイルにある。生活費が5万円で済み、家賃も経費にでき、時間の大半を創作に充てられる。
AIを導入すれば、1人でも100冊以上出版することができる。これを継続すれば、月収10万円という現実的な目標も見えてくる。
ほとんどのビジネスは、競合との価格・品質競争に巻き込まれて消耗していく。しかし、真に競争力を持つのは、「苦痛度の低い分野」で努力を継続できる人間だ。
つまり、自分にとって自然にできること、習慣化できることをビジネスにするのが理想であり、それが最終的な強みになる。大手が参入しにくい分野で、自分の得意を徹底的に磨くことが、長期的な生存の鍵になる。
Kindleで100冊以上出版し、それを続けられる個人はほとんどいない。大手は採算が取れず参入しないし、個人でも途中で疲弊してやめていく。
だからこそ、そこにチャンスがある。僕はその穴場を狙い、誰もやりきれない領域までやり抜く。
さらに、僕が扱うテーマはAIに代替されにくい。体験記、レビュー、考察、企画――これらは人間の経験と思考が核にある。
AIが生成できるのは模倣であり、実体験や本音に基づく文章は決して完全には再現できない。僕はAIの波を逆手に取り、AIが書けない領域で価値を築く。
また、極限まで節約した生活と、強固なセキュリティ体制の構築は、現代社会において強みになっている。
情報漏洩や監視が日常化する中で、自分の身を守りながら創作に専念できる環境を作り上げたことは、他にはない優位性だ。
AI副業や「簡単に数十万稼げる」系の情報が氾濫しているが、僕はそのような話を信用していない。
短期的な成功談は一瞬で消える。地に足のついた戦略で、長期的に継続できる形を選ぶ。それがKindle出版だった。
しかし、最後に冷静な判断を下さなければならない。Kindleというプラットフォーム自体が、数字操作によって出版者の努力を正当に反映していない可能性がある。
50冊を出版した段階で、もし明らかに不自然な数字の変動や妨害を感じたら、そのときは潔くKindleを離れる。その場合、すぐに自前のPDF販売サイトへ移行する。
Kindle上で知名度を獲得した時点で、読者を自サイトへ誘導すればいい。メルマガや顧客リストを作り、読者を囲い込むことも可能だ。
Kindle出版は大きな可能性を秘めているが、同時に不透明さも抱えている。僕はその現実を冷静に受け止め、Kindleに依存しすぎない体制を整える。
そして、もし確実に不正や数字操作があると判断したら、その時点で撤退する覚悟を持っている。Kindle作家としての道は一時的に閉じることになるが、執筆者・表現者としての人生は続く。
僕はこれからも、AIに奪われない言葉を紡ぎ、実用と哲学の間で生きていく。
Kindle作家・太陽の戦略とは、単なる出版計画ではない。それは、個人が最小コストで最大の成果を上げるための「生存設計図」であり、デジタル時代の孤高の表現者としての生き方そのものだ。
人件費も家賃も最小化し、生活そのものを実験場に変え、経験を作品に変換していく。Kindleが舞台であれ、PDFが舞台であれ、本質は変わらない。
僕の生き方そのものが、最も効率的なコンテンツ生成のプロセスであり、創造と節約の哲学である。
たとえKindleを離れても、太陽の筆は止まらない。書くことそのものが生であり、表現することが生きることだからだ。
スマイル隠居生活 ― 太陽の静かな自由実験録

Kindle出版という仕組みを実際にやってみて、正直、馬鹿らしいと感じた。
試しに自分の本を購入して40ページで完読したが、得られた収益はわずか16円。これが現実だ。
仮に10人が最後まで読んでも160円、100人が完読してもたった1600円にしかならない。この時点で、労力にまったく見合わないことがわかる。
100人に読まれること自体がどれほど難しいか。成約率を1%と仮定すると、100人の読者を得るためには1万人のフォロワーが必要になる。仮に10%の高い成約率があったとしても、それでも1000人のフォロワーがいなければ成立しない。
出版、宣伝、執筆に費やす時間と労力を考えると、リターンはあまりにも小さい。
要するに、Kindle出版でまともに儲けようとするのは、ほぼ不可能に近い。理屈のうえでは夢があるように見えても、実際には数字がまったく合わない。
僕にとっては時間の無駄だと判断した。だからもう、きっぱりと撤退することにした。

🧮 前提条件
- 出版数:100冊
- フォロワー数:1000人
- 成約率(=購入して完読する人の割合):10% → 100人が購入・完読
- 1冊あたりの収益:16円(完読された場合)
💰 計算
1冊あたりの収益:
100人 × 16円 = 1,600円
これが1冊の完読による収益です。
それを100冊出すと:
1,600円 × 100冊 = 160,000円
📉 年間・月間換算
もしこの100冊すべてが同じ100人に読まれたと仮定すると、
総収益は16万円。
ただし、Kindle Unlimited報酬は月ごとにリセットされる仕組みで、
実際には「100冊全部が同時に読まれる」ことはまずありません。
もし1年かけて徐々に読まれていくとしても、
月あたりの平均収益は:
160,000円 ÷ 12ヶ月 ≒ 13,333円/月
🧠 現実的な補足
- 1冊の収益が16円というのは完読前提なので、途中離脱が多ければさらに減ります。
- Kindle Unlimited報酬はページ単価に変動があり(0.3〜0.5円/ページ程度)、
ページ数や読者層によっても増減します。 - プロモーションを強化して新規読者を獲得し続けないと、既存フォロワーだけでは次第に収益は頭打ちになります。
🧾 結論
100冊出版し、1000人のフォロワーのうち10%(100人)がすべて完読した場合でも、
収益は16万円(=月平均1.3万円程度) にしかなりません。
つまり、
労力・時間・広告コストを考えると、Kindle出版を主要収益源にするのは極めて非効率。
この数字を見る限り、あなたの「撤退判断」は極めて合理的です。
「好きなことで生きていく」というのは、理想的に聞こえるが、現実にはかなり難しい。たとえば、陸上元選手であり知名度も高い為末大さんでさえ、コンテンツ収益のハードルは決して低くない。
彼はnoteで月額1,000円のメンバーシップを運営しており、参加者は281名。単純計算では、1,000円×281人=28万1,000円の売上になる。しかし、note側に10%の手数料が引かれるため、実際の手取りは28万1,000円−2万8,100円=約25万3,000円程度となる。
為末さんは「為末大学」というYouTubeチャンネルも運営しており、登録者数は13.4万人。さらにテレビ出演など、一般的な認知度は非常に高い。それでもこの収益規模である。つまり、知名度も実績もある人物でさえ、この程度の数字なのだ。
そう考えると、無名の一般人がコンテンツ一本で安定した収益を得るのは、相当な覚悟と戦略が必要になる。才能だけでなく、継続・運営力・マーケティングの総合力が問われる世界だといえる。


