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株の幻想と熱狂経済──カブアンドという現象を読み解く

どうも、太陽です。

 

「株」という言葉は、あらゆるビジネスの疑念を覆い隠す魔法のラベルのようなものだ。

どんなに仕組みがあやふやでも、「株主になれる」「将来の利益がある」と聞けば、多くの人は安心し、希望を感じる。

だが、冷静に見れば、既存の節約サービスを使った方がはるかに得で、安定している。

ここで取り上げる「カブアンド」というビジネスは、まさにその“株の幻想”の象徴だ。

現時点では、本物の価値を生み出しているようには見えず、むしろ「前澤友作」という個人ブランドの影響力に依存しているように思える。

本稿では、カブアンドが放つ“熱狂の構造”を、合理性の視点から丁寧に読み解いていく。

 

カブアンドの印象を率直に言えば、「本物の匂いがしない」。

「株がもらえる節約サービス」という看板は新しそうに見えて、実際は古典的な構造の焼き直しだ。

「株」という言葉が心理的な安心感を与え、疑問を抱いても「もしかしたら儲かるかもしれない」と思わせてしまう。

しかし、現実には既存の節約サービスを使う方が安価で、品質も安定している。

 

したがって、合理的に考えるタイプの人──いわゆる論理型の消費者──がこのサービスを選ぶ理由はほとんどない。

それでも注目される理由は、「前澤氏が関わっているから」だ。

この個人ブランドこそが最大の集客装置であり、サービス自体よりも“物語”に人々が惹きつけられている。

 

Abemaが10年をかけて黒字化したように、最初は理解されなくても最終的に成功するケースはある。

だが、Abemaには明確な理念と長期的な投資戦略が存在した。

一方でカブアンドは、現時点でその“筋道”が見えにくい。

もし本当に新しい価値を生み出そうとしているなら、批判に対してもっと余裕を持って構えるはずだ。

ところが、ビジネスモデルへの指摘に対して法的措置を示唆するような対応を見せたことで、かえって焦りや不安が透けて見えた。

 

批判とは、ビジネスが社会的に議論される段階に来た証拠でもある。

それを受け入れず、“誤解だ”と遮断してしまえば、透明性が疑われるのは当然だ。

僕の見立てでは、カブアンドの仕組みはまだ曖昧で、利益構造が一般ユーザーに説明されていない。

それでも人々がついていくのは、合理的な判断ではなく「期待」と「共感」に支えられているからだ。

 

つまり、カブアンドの利用者は大きく二つのタイプに分かれる。

ひとつは論理型──コストや利便性を重視し、数値で判断する層。

もうひとつは感情型──共感や信頼を重視し、「前澤さんならきっと何かしてくれる」と信じる層である。

 

論理型は、既存の節約サービスの方が安く使えることを知っている。

一方、感情型は損得を超えた“共感投資”をしている。

つまり、サービスそのものより「人物」への信頼を買っているのだ。

だからこそ、たとえサービスが割高でも、「前澤氏の挑戦を応援したい」という心理で契約する。

この構造こそが、いまの日本で広がる“熱狂経済”の一端でもある。

 

しかし、僕の論理的な見立てでは、カブアンドの最終目的は「上場ゴール」だ。

顧客リストを資産化し、それを企業が高値で買い取る──というルートで収益化を図る可能性がある。

そのためには、まず顧客を増やし、株を持つユーザーを“ファン兼データ”として囲い込むことが必要だ。

結果として、上場時には前澤氏は巨額の利益を得て、ユーザーも一時的な株の恩恵を受ける。

そこで両者は一定の満足を得て、物語は完結する。

 

もちろん、これは推測の域を出ない。

だが、現状のサービス内容や価格設定を見る限り、「節約」というより「株で夢を見せる構造」に近い。

もし本当に革新的な事業であれば、もっと明確な価値提供があるはずだ。

ところが現時点では、「なぜこの価格なのか」「なぜこの仕組みなのか」が説明されていない。

 

その不透明さが、逆に“信じる人”を惹きつけているのかもしれない。

論理ではなく「熱量」で動く人々の存在が、このビジネスを成立させている。

だが、熱狂が冷めた後に何が残るのか──その問いには、いまだ答えがない。

 

もしカブアンドが“割高な節約サービス”を通じて「信頼の可視化」を狙っているなら、それはそれで興味深い。

なぜなら、そこには「合理的には得ではないが、共感によって価値を生む」という、現代的なマーケティングの形があるからだ。

企業が求めているのは価格競争ではなく、“感情のつながり”を持つ顧客リストだ。

もしそのデータベースを上場後に売却できるなら、確かに戦略としては成立する。

 

つまり、カブアンドは“節約サービス”ではなく、“感情経済プラットフォーム”なのかもしれない。

合理性では説明できないが、感情の力で動く市場。

その中心に「前澤友作」という象徴的な人物がいる限り、この構造はしばらく維持されるだろう。

 

カブアンドは、「株」という言葉で熱狂を生み出す現代的なビジネスモデルである。

既存の節約サービスよりも割高であるにもかかわらず、「信頼」「期待」「共感」という感情の軸で人々を惹きつけている。

それはもはや“節約”ではなく、“共感消費”の延長線上にある。

このビジネスが本物かどうかは、今後の展開で明らかになるだろう。

だが、少なくとも現時点では、「株」という言葉が希望を装い、冷静な判断を曇らせているように見える。

信頼を築くのか、幻想を売るのか──その答えを示すのは、前澤氏自身の次の一手だ。

 

池田朋弘 ChatGPT最強の心理術4万部突破!さんのポストは以下。

 

Meta、6000億ドルAI投資も「収益化製品ゼロ」で株価12%暴落 

衝撃の数字 ・今後3年で最大6000億ドルのAIインフラ投資 ・営業費用が前年比70億ドル増加 ・設備投資は約200億ドルに到達 しかし決算発表後、株価は12%下落し、時価総額で約2000億ドルが消失 純利益は200億ドルと高水準だったにもかかわらず、です。

投資家が失望した本当の理由 ザッカーバーグCEOは「将来的な巨大な機会」といった抽象的な説明に終始。 投資家が求めていたのは、ビジョンではなく「具体的な製品」と「収益化の道筋」だったのです。 Meta AIアシスタントは10億人超と発表も、実態はFacebookやInstagram利用者を含む数字。 動画生成ツール「Vibes」も話題性はあるがビジネスインパクトは限定的です。

GoogleやNvidiaはAI投資を通じて確実に収益を伸ばしているのに対し、Metaには明確な収益化製品がない。

日本企業が学ぶべき3つの教訓

投資規模より「収益化戦略」が重要 巨額投資しても、収益につながる製品がなければ意味がない。投資と同時に「どう稼ぐか」を設計する。

抽象的ビジョンではなく「具体的成果」で説明 「将来すごいことになる」では通用しない時代。具体的なKPIと製品ロードマップを示す。

数字の見せ方に注意 実態と乖離した数字は信頼を失う。正確で誠実なコミュニケーションが信頼につながる。

今、日本企業に必要なこと Metaの事例は「無計画な巨額投資も危険」ということを教えてくれます。 重要なのは「小さく始めて、確実に成果を出し、段階的にスケールする」戦略です。

https://techcrunch.com/2025/11/02/meta-has-an-ai-product-problem/

 

前澤さんのやり方だと、アメリカ株式市場だと通用しないということです。

具体的な価値あるサービス、上場後の収益化の道筋がまったく説明されていないので。

 

前澤さんがカブアンドで無人島でBBQをやる企画を考えいてるようですが、カブアンドの会員は論理型の合理的な損得ばかりじゃなく、感情派なので、こういう突発的な楽しいイベントはウケが良さそうです。

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