どうも、太陽です。
これまでの人生で出会ってきた映画やドラマ、アニメ、漫画、小説—それらは僕に数え切れないほどのインスピレーションを与えてきました。
そして2024年7月23日(火)を皮切りに、新たなエンタメ体験を記録し始めました。
この記事では、これまでの名作と今後楽しむコンテンツのリストを共有します。
興味のある方は、ぜひ続きをお読みください。
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この記事は「世の中についての気づき」を得るための内容です。
読者の生活に直接役立つ内容ではありませんが、考え方のヒントにしてもらえると嬉しいです。
1 2024年7月23日からのコンテンツ消費記録
ここでは、2024年7月23日(火曜日)以降に観た映画やドラマ、アニメについて書き留めていきます。
僕が映像コンテンツを観るときは、ほとんどが作業をしながらの「ながら見」です。
そのため、作品に対する印象や記憶が少し曖昧になることがよくあります。
そもそも、僕は映画やドラマ、アニメを観る頻度がかなり低いタイプです。
たとえば、映画は年に3本観れば「今年は結構観たな」と思うほどです。
それでも、最近は作業中のBGM代わりに視聴する作品を増やしてみようかなと考えることもあります。
そんな中、最近Netflixで話題になっている映画『地面師たち』に興味を持ちました。
広告つきスタンダードプランは月額790円と手頃で、「この機会に入会してもいいかも」と思ったのですが、他に特に観たい作品が見当たらず、『三体』が少し気になるくらいでした。
とはいえ、どうしても観たいという熱意は湧かず、結局見送ることに。
振り返ると、映画やドラマを受動的に観ることに対して僕は「そこまで好きじゃない」と再認識しました。
視聴に時間をかけても、得られる満足感が低く、ながら見で十分という感じです。
だからこそ、年に3本も観れば十分で、映像コンテンツは僕にとって優先順位が低いのです。
一方で、小説を読むことは多少苦労することもありますが、その能動的な取り組みがあるからこそ面白いと感じます。
ページをめくりながら新たな発見をしたり、自分の知識や感覚を深める時間はやはり楽しいと再確認しました。
将棋も同じです。(理由があって将棋の趣味は現在、辞めました)
たとえ直接的な利益がなくても、自らプレイするという能動的な行為があるからこそ、楽しさを感じられるのだと思います。
そんな日々の中で、自分にとっての「本当に楽しいこと」を見つけるのは、意外とシンプルなのかもしれません。
★2024年7月23日に観た映画:『死刑にいたる病』
2024年7月23日(火曜日)、僕はAmazon Primeで無料配信されていた映画『死刑にいたる病』を観ました。
作業をしながらの「ながら見」だったため、正直なところ、最後の結末がよく理解できず、少しモヤモヤした気持ちが残りました。
そんな疑問を解消するために、関連する考察記事を読んでようやく腑に落ちたのです。
【ネタバレ】映画『死刑にいたる病』結末はどうなる?原作との違いは?ネタバレありで徹底考察
この映画の印象を一言で言うと、非常にフィクションじみた内容です。
登場するサイコキラーのキャラクターは、「現実にこんな犯罪者が本当に存在するのだろうか?」と思ってしまうほど非現実的で、その点で驚かされました。
しかし、現代の社会を少し振り返ってみると、このような映画が生まれる背景も理解できる気がします。
たとえば、現実世界には漫画のヒーローを超えるような存在が実際にいます。
二刀流で活躍する大谷翔平選手、将棋界で史上初の8冠を成し遂げた藤井聡太さん、圧倒的な強さを誇るボクシングの井上尚弥選手など、人々の常識を超える才能を持つ人物が次々と現れています。
これらの事実を目の当たりにすると、映画『死刑にいたる病』のような一見極端なキャラクター設定も、もしかすると「常識を超える存在」をテーマにしているのかもしれません。
僕たちは、現実の枠を越えるような能力を持つ人々を見て、「そんなはずはない」と思いつつも、その存在に惹きつけられてしまいます。
この映画もまた、そんな現代の風潮を反映した作品の一つなのではないでしょうか。
評価★
★2024年7月31日に観た映画:『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』
2024年7月31日(水曜日)、僕はU-NEXTで『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』を視聴しました。
無料体験に加え、600ポイントのプレゼントがあったので、0円でレンタルすることができました。
普段は作業通話をしながら「ながら見」をすることが多いのですが、この作品はあまりにも面白く、作業を中断して集中して観てしまいました。
フィクションとコメディに全力で振り切った展開がとても清々しく感じられました。
リアリティを求めるタイプの映画ではないものの、その極端さが逆に爽快で、観ていて笑いも生まれ、気分が晴れました。
家族連れでも楽しめる貴重な作品と言えるでしょう。
日常で嫌なことが多い僕にとって、このような軽くて楽しめる作品は一種の癒しです。
シリアスさや重さがなく、考え込まずに笑える映画が、自分にはちょうど良いようです。
アニメ版の『SPY×FAMILY』については、シーズン1を全話見ており、シーズン2はまだ観ていないものの、これを機に再開しようかと思っています。
この作品の軽妙なノリが僕には合っているようです。
また、主人公のロイド・フォージャーに共感を抱いている人は少ないかもしれませんが、僕は彼に共感を感じています。
架空のキャラクターでありながら、彼のような人物に憧れを抱いてしまいます。
お決まりのパターンが多い作品ではありますが、その安定感が不思議と楽しませてくれます
もちろん、人によって好みは分かれるかもしれません。
なお、実際のスパイに関する興味深い視点として、以下の記事に、元諜報員の作家がスパイ映画『ジェームズ・ボンド』について語り、「本物のスパイはボンドをどう見ているのか」という内容が紹介されています。
やはり、アニメや映画のスパイ像は現実とは大きく異なるもののようです。
「本物のスパイはジェームズ・ボンドをどう思っているのか?」を元諜報員の作家が語る
しかし、さまざまな事情により、『SPY×FAMILY』という作品に対して100%感情移入して観ることができない状況になってしまいました。
これにより、残念ですがこの作品から距離を置くことにしました。
これまで楽しんできた分、心残りもありますが、自分の感情や視点が変わったため、新たな視聴体験を求めることにしました。
評価★★★★
★日時不明に読んだ小説2冊:『方舟』(講談社文庫)、『十戒』(ペーパーバック)
いつ読んだかは定かではありませんが、特に面白かった2冊の小説を記録に残しておきます。
まず『方舟』(講談社文庫)は、まさに1級品の小説です。
リーダビリティに優れ、物語の流れが非常にスムーズで、引き込まれるように読み進めることができました。
さらに、最後のオチも見事で、全体を通して非常に満足度が高い作品でした。
一方、『十戒』に関しては、『方舟』と比べると完成度はやや劣るものの、十分に満足のいく内容でした。
読んでいて興味が途切れることなく、楽しめる作品です。
どちらも、それぞれに魅力があり、読書の時間を豊かにしてくれる作品でした。
方舟 (講談社文庫) 評価★★★★★
十戒 ペーパーバック 評価★★★★
★2024年10月に読んだ小説:『六人の嘘つきな大学生』(角川文庫)
2024年10月に、角川文庫『六人の嘘つきな大学生』を読みました。
この小説は、そのリーダビリティの高さが際立っており、読者を引き込む文体と物語が特徴的です。
ページをめくる手が止まらないほど、続きが気になって仕方なくなるような文章と内容が魅力です。
物語は意外な展開が続き、次に何が起こるか予測がつかないところが面白いです。
しかし、個人的には最後のオチだけが少し残念に感じました。
清純派女優のような方向に収束するよりも、作品全体のドロドロとした展開を最後まで貫いてほしかったと思ったのです。
それでも、この作品は全体的に圧倒的な面白さを持っており、一読の価値があります。
特に現在、Kindle Unlimitedの会員であれば無料で読むことができるので、ぜひチェックしてみてください。
評価★★★★ (オチが良ければ文句なしの満点でした)
★2024年11月5日に読んだ小説 「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」
「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」という挑戦的なタイトルがそのまま小説の核をなす作品。

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読み終えた瞬間、まず湧き上がったのは「著者の頭の中は一体どうなっているのか?」という純粋な驚きと敬服でした。
本作は、犯人・被害者・探偵という役割が交錯するという並外れたコンセプトに基づき、複雑かつ論理的なストーリー展開が見事に練り込まれています。
読者は、シンプルに謎を追うだけでなく、緻密に組み立てられた論理の網に引き込まれながら、息もつかせぬスリルを味わいます。
ページをめくるたびに、新たな驚きと発見が待っており、そのたびに「まさか、ここまで考え抜かれた物語とは」と感嘆せずにはいられません。
読み始めた時点で、ジャニー喜多川事件を思い出すかもしれませんが、その先に待っているのは予測不能な展開と驚愕の結末です。
ありふれた推理小説の枠を超え、ストーリー構成力と発想力がまるで別次元の作品。
ジャンルの枠を超えた物語に仕上がっており、フィクションでありながらもその中に通る整合性には隙がありません。
結論として、本作は単なる「読み物」に留まらず、読者の論理的思考を刺激しながら、全く新しいミステリー体験を提供してくれます。
一つ一つのピースが揃っていく感覚が病みつきになり、思わず「他の作品も読んでみたい」と思わせられるほどの完成度です。
小説の感想は人それぞれですが、この斬新な構成と見事な文章力には、誰もが一度は惹かれるはず。

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評価★★★★★
★2024年11月13日に読んだ小説「架空犯」
2024年11月13日に、東野圭吾の小説「架空犯」を読了しました。

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記事を書くタイミングをのがしたので、評価だけ載せておきます。
評価★★★
★2024年12月17日に読んだ小説「芸能界」
2024年12月17日に映画化された『正体』の著者、染井為人氏による短編集『芸能界』を読了しました。

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本作は芸能界を舞台に、光と影、欲望や苦悩が浮き彫りにされた7本の短編小説から成っています。
各短編の紹介
- 「クランクアップ」
異常な芸能事務所と俳優の関係性を描いた一編。芸能界の裏側に潜む支配構造や人間の歪みが印象に残ります。 - 「ファン」
芸能人に付きまとうストーカー問題をテーマにしています。現代ではリアルに起こりうる恐怖が感じられる作品です。 - 「いいね」
インスタ映えにハマる熟女有名女優の姿を描いた話。虚像と現実、承認欲求の哀しさが浮かび上がります。 - 「終幕」
私利私欲にまみれたアイドルプロデューサーを中心に、業界の闇をリアルに描いた作品です。 - 「相方」
コンプライアンスに翻弄されるお笑い芸人の苦悩がテーマ。時代の変化とともに求められる「正しさ」との葛藤が印象的でした。 - 「ほんの気の迷い」
追い詰められた俳優のリアルな姿を描いています。現実味のある展開と人物描写が際立っており、特に面白かった作品です。 - 「娘は女優」
田舎から芸能界を目指す女優志望の少女の成り上がりストーリー。夢と現実の狭間にある苦闘が描かれ、こちらも興味深く読むことができました。
感想:芸能界に興味がある人向け
タイトル通り、全編を通して「芸能界」という特殊な世界が描かれています。
一般人が想像する華やかな表舞台とは異なり、業界の暗部や人間模様に焦点を当てたリアリティある内容です。
ただ、芸能界に興味がある人向けの作品であることは間違いありません。
僕は芸能界に特段興味がないため、「なぜ手に取ったのか?」という疑問が残りましたが、一応最後まで読了しました。
特に印象に残った作品
- 「ほんの気の迷い」と「娘は女優」は、物語の展開や登場人物の心理描写に引き込まれ、個人的には面白いと感じました。
総評
芸能界という閉ざされた特殊な世界を通じて、人間の欲望や現代社会の問題点を浮き彫りにした作品集です。
テーマが明確であるため、芸能界に関心がある読者や、その裏側に興味を持つ人には楽しめる内容だと思います。
反対に、僕のように芸能界に特に興味がない人には、少々刺さりづらいかもしれません。
それでも、染井為人氏の筆致は鋭く、登場人物の心の動きやリアルな社会描写は見事です。
芸能界の「光と影」を覗いてみたい方には、ぜひ一読をおすすめします。

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評価★★
★2024年12月18日に読んだノンフィクションのような小説「官邸ポリス」
出版日:2018年12月
評価:★★★☆☆
幕蓮氏のノンフィクションのような小説『官邸ポリス』は、安倍元首相や森友学園事件を連想させる題材を扱い、その背後で実際に暗躍していたかもしれない「官邸ポリス」の存在を思わせるリアルな描写が光る一冊です。
2024年12月17日に読み終えた本書は、実際の政治や捜査の裏側を覗き見るような感覚を味わわせてくれました。

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特徴的なポイント
本作の魅力は、詳細に描かれた尾行シーンや警察組織内の機密に迫る描写にあります。
読者は以下のような興味深い情報を知ることができます。
- 「警察のなかの警察」ジンイチ(人事第一課)
監察部門が警察内部の調査や尾行を行うという設定。官用車に派遣ドライバーを起用する理由や、車内で国家機密を話せない事情など、リアリティあふれる描写が新鮮です。 - 東京地検特捜部の内実
ロッキード事件やライブドア事件などで名を馳せたエリート集団の強みと弱点が具体的に描かれています。特に、尾行能力や現場経験の乏しさという特捜部の課題が浮き彫りになる部分は、普段は見えない「捜査の裏側」に迫る好例です。 - 自衛隊の特別警察:警務隊と情報保全隊
隊内警察である警務隊が持つ尾行能力や、秘密情報を取り扱う情報保全隊の存在も興味深いポイントです。特に情報保全隊の活動が極秘である点や、家族や周辺環境まで調査できるという特殊性は、一般的な警察組織とは一線を画します。
感想と評価
本書のラストには、これまでに見たことがない斬新なオチが待ち受けています。
しかしながら、文章のリズムや一部の展開にはやや冗長さを感じる場面もありました。
そのため、★3つの評価としましたが、興味深い内容を楽しめる点では間違いなくお勧めの一冊です。

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★2024年12月29日に読んだ小説「真実の檻」
読了日:2024年12月29日
評価:★★★★★
下村敦史氏の小説『真実の檻』は、深いテーマと予想を覆す展開が織りなす圧巻のストーリー。

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すでに読んで感銘を受けた著者の「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」に続いて手に取った本作ですが、期待を上回る大満足の内容でした。
これで下村作品は2冊目となりますが、またしても大当たりです。
心に響いたポイント
- リアルな共感と勇気
本作は、自分が置かれている環境と重なる部分が多く、登場人物たちの葛藤や選択に強く共感しました。主人公たちが真実を求めて懸命に立ち向かう姿に、自分自身も勇気をもらえる内容でした。 - 予想外の展開とクライマックス
読み進めるたびに新たな展開が待ち受け、先の読めないストーリーに引き込まれます。クライマックスに向かう緊張感は途切れることなく、最後まで一気に読み切ってしまうほどのスピード感がありました。 - 検察・警察の裏の世界
本作では、捜査機関の表向きの姿だけでなく、その裏側にある人間模様や政治的な駆け引きもリアルに描かれています。読者として新たな視点を得られる点も大きな魅力の一つです。
総評
下村敦史氏の作品は、ただスリリングなだけでなく、社会的テーマを掘り下げる力強さがあります。
『真実の檻』でも、物語を通じて読者に問いかけてくるようなメッセージ性があり、心に深く残る一冊となりました。
ストーリーやキャラクターへの共感、さらには社会問題への考察など、さまざまな要素が絶妙に絡み合い、全体として素晴らしい完成度です。
まとめ
『真実の檻』は、感情移入できる登場人物と予測不能の展開が詰まった、社会派エンターテインメントの傑作。
下村敦史ファンに限らず、多くの読者に自信を持っておすすめできる一冊です。

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★2024年12月29日に読んだ小説「同性同名」
読了日:2024年12月29日
評価:★★★★☆(4.5/5)
下村敦史氏の『同性同名』は、複雑な構成とユニークな発想で読者を魅了する一冊でした。

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これまでの著者作品で大当たり続きだったため、期待値も高かった本作。
結果として、大満足の内容ながらも「大当たり」とまではいかない印象でしたが、4.5点に値するほどの完成度と面白さが詰まっていました。
特徴的なポイント
- コメディ要素と複雑な構成
本作はこれまで読んだ下村氏の作品(『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』 『真実の檻』)とは異なり、コメディのように感じられる軽妙さが特徴です。一方で、ストーリー構成が非常に緻密で、「著者の頭の中はどうなっているのか?」と思わず感嘆してしまうほどの複雑さもありました。 - 「企画モノ」としての完成度
『同性同名』はアイデア勝負の「企画モノ」小説として、非常にユニークです。同姓同名の人物たちの絡み合いが巧妙に描かれており、読者を飽きさせない展開が続きます。この点で、同じくアイデアの光る『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』を彷彿とさせました。 - 映像化が難しい魅力
内容の独特さや構成の複雑さゆえに、本作を映像化するのは難しそうです。しかし、それが逆に小説としての魅力を際立たせています。「小説だからこそ成り立つ物語」の醍醐味を存分に楽しむことができます。 - 東野圭吾を超える可能性も
本作を含むこれまでの読書体験を通じて、著者は「企画モノ」と「シリアスな本格モノ」のどちらも書ける稀有な実力者だと実感しました。個人的には、東野圭吾氏を継承する可能性を秘めた逸材ではないかと感じています。
感想と評価
本作は、これまでの下村作品と比較すると、感情的な深さよりも「アイデアの面白さ」や「構成の妙」を楽しむ作品といえます。
クライマックスまで飽きることなく読めましたが、全体的に軽快なトーンだったため、心に響く強さという点ではシリアスな『真実の檻』に一歩譲る印象です。

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★2024年1月1日に読んだ小説「逆転正義」
読了日:2024年1月1日
評価:★★★☆☆
下村敦史氏の短編集『逆転正義』は、「正義とは何か?」というテーマを根底に据えた6編の物語で構成されています。

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それぞれの作品が異なる視点やスタイルで描かれており、読者にさまざまな「正義」の形を問いかけます。
過去の作品や書き下ろしを含む本作は、著者の創作の幅広さを実感させてくれる一冊でした。
収録作品レビュー
- 見てみぬふり(2022年3月発表)
『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』と同様に、「正義と悪」の曖昧さを読者に突きつける物語です。倫理的ジレンマに直面するキャラクターたちの姿が印象的で、テーマの深さが光ります。
評価:★★★★★ - 保護(2023年4月発表)
独創的なアイデアが際立つ一編。読んだことのないタイプの物語で、著者の発想力に驚かされます。その新鮮さは、読み手の興味を引きつけて離しません。
評価:★★★★★ - 完黙(2022年6月発表)
麻薬売人を題材とした短編ですが、設定や展開がややありきたりな印象です。他作品と比べて目新しさが少なく、やや平凡に感じられました。
評価:★★★☆☆ - ストーカー(書き下ろし)
本作の中でも特に印象に残る作品。斬新な発想と巧妙なプロットで、驚きと緊張感が最後まで続きます。新作にふさわしい完成度です。
評価:★★★★★ - 罪の相続(2016年8月発表)
ストーリー展開やテーマに大きな新鮮さを感じられず、凡作の域を出ない印象です。2016年の作品ということで、初期作らしい粗さが見受けられます。
評価:★★☆☆☆ - 死は朝、羽ばたく(2014年9月発表)
死刑制度をテーマにした一編。題材としては興味深いものの、展開や深みが物足りなく感じられます。著者初期の作品としての未熟さが残っています。
評価:★★☆☆☆
感想と評価
本作全体を通じて、下村敦史氏の創作力の幅広さを楽しめる一方、各短編の完成度にはばらつきがある印象を受けました。
特に、近年の作品である『見てみぬふり』『保護』『ストーカー』は、鮮やかな発想とテーマの深みが際立っており、読者を惹きつける力があります。
一方、初期作品では物語の練り込みやテーマの扱いがやや浅く、平凡に感じられる部分も。

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★2025年1月14日に読んだ小説「プロパガンダゲーム」
読了日:2025年1月14日
評価:★★★★★(5/5)
根本聡一郎氏の『プロパガンダゲーム』は、2017年に文庫化された際に大幅改稿された問題作です。

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もともと電子書籍として話題になった本作は、さらに練り直され、より完成度を高めた形で世に出ました。
著者が1990年生まれであることを考えると、27歳の若さでここまでの内容を書き上げた才能には驚かされます。
物語の力と社会的メッセージ
本作の最大の魅力は、まるで預言書のような鋭さで描かれるメディアと情報操作の世界です。
読者に問いかけてくるのは、真実とは何か、プロパガンダの影響を受けていない人間は存在するのかという深遠なテーマ。
マスコミや情報操作と無縁ではいられない現代社会を生きる私たちにとって、非常に示唆に富む内容です。
特に、2025年という情報が氾濫する時代にこの本を手に取ることで、改めて「何を信じるべきか」を考えさせられました。
2017年以前に読んでいれば、自分の人生観がもっと早く変わっていたかもしれないと感じるほど、人生に影響を与えうる一冊です。
著者の才能と将来性
根本聡一郎氏は、メディアの裏側や情報戦の機微を描く筆致に非凡なものを感じます。
35歳という若さでありながら、ここまでの内容を描き切る力量は稀有です。
『プロパガンダゲーム』をきっかけに、追いかけるべき作家リストに加えたい名前となりました。
また、本作を読むことで、浅倉秋成氏の『六人の嘘つきな大学生』を再考するきっかけにもなりました。
同作が「人間の本質を短期間や表面的な情報だけで理解することの困難さ」を描いている一方で、根本氏の作品は、さらに鋭い洞察で現代社会の歪みを浮き彫りにしているように感じられます。
感想と評価
『プロパガンダゲーム』は、マスコミや情報操作に興味がある方にとって、間違いなく必読の一冊です。
特に、メディアの影響力やその危険性について深く考えさせられる内容は、読後も長く心に残るでしょう。
一方で、こうしたテーマに馴染みがない読者には、少し難解に感じられる部分もあるかもしれません。
それでも、本作のテーマ性、ストーリー構成、そして著者の才気を考えると、文句なしの星5つと評価しました。

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★2024年1月11に読んだ小説「家族解散まで千キロメートル」
読了日:2024年1月11日(108ページまで)
評価:未完了
『六人の嘘つきな大学生』が面白かったため、浅倉秋成氏の別作品『家族解散まで千キロメートル』を手に取ってみましたが、残念ながら108ページで読むのを断念しました。

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展開が退屈に感じられ、先を読み進めるモチベーションを保つことができませんでした。
本作での著者のストーリーテリングには引き込まれる力が弱く、期待値の高かった分、残念な印象を受けました。
今後は、積極的に追いかけたい作家リストから外れるかもしれません。
まとめ
『家族解散まで千キロメートル』は、自分にとっては合わない作品でしたが、他の読者には異なる印象を与える可能性もあります。
浅倉秋成氏の別作品に期待しつつ、本作については評価を保留します。