コンテンツへスキップ

2024年夏から始まるエンタメ旅:これまでとこれからの視聴記録PART2

どうも、太陽です。

 

この記事では、これまでの名作と今後楽しむコンテンツのリストを共有します。

興味のある方は、ぜひ続きをお読みください。

 

 

1 2024年7月23日からのコンテンツ消費記録 PART2

 

★2024年1月22日に読んだビジネス小説「小説で読む民事訴訟法」

2024年1月22日に木山泰嗣(きやまひろつぐ」氏のビジネス小説「小説で読む民事訴訟法」を読了しました。

ほとんどの情報が目から鱗すぎました。

詳しいレビューは省略します。

評価★★★★ 

小説で読む民事訴訟法-基礎からわかる民事訴訟法の手引き

👉 小説で読む民事訴訟法-基礎からわかる民事訴訟法の手引き(Amazonリンク)

 

★2024年1月26日に読んだノンフィクション「崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ」

2024年1月26日に経済ジャーナリスト浦上早苗さんのノンフィクション「崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ」を読了しました。

崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ

👉 崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ(Amazonリンク)

新聞記者の著者は、2009年から5ヶ月間は1人で、次の4年は息子のソウと2人で、最後の2年(2016年まで)はまた1人で暮らしていて、その記録です。

2010年には、著者は35歳になっており、中国・大連の大学に7歳の息子ソウを連れて国費博士留学(企業管理学)していました。

2010年〜2014年当時の中国でも、日本とは相当に違う文化や価値観だと伺い知れる内容でした。

 

留学先の寮は普通の中国にしては恵まれている住居だったにもかかわらず、シャワーすらまともに浴びれない環境でした。(部屋は汚く、鍵はかからず、テレビは壊れていますし、門限を破ると寮から閉め出され、ロシア人に間一髪救出される環境)

中国人の対人関係での距離感はおかしく、初対面で電話番号を聞いて「友達」になる国です。

道に迷ったら、自力で調べる日本人、一方で、その辺の人に聞く中国人という構図で、シングルマザーの著者からすれば子育てという面では気軽に他人を頼ることにためらいがいらないので、楽だったそうです。(逆にいえば、他人から簡単に頼られます)

 

中国ではぼったくりが多く、交渉を学ぶ必要があります。

近所を歩いていると、ヤギの頭が転がっていたり、すぐ近くに胴体部分も無造作に置かれていて、日本との差が激しいです。(中国での動物園の残酷ショーや犬食文化のお祭りは、ときどきニュースとして報じられ、国際社会で炎上します)

日本人は礼儀正しく、きっちりしていて、秩序がありますが、中国は「適当」の一言です。

チェーン店の料理の味が店によって、日によって味が全然違うのが当たり前なのです。

「後のことを気にしない」「ルールは絶対ではない」が中国流であり、一方で、日本の「相手の行動を察して先回りする」「ルールだけでなく、ルールをよく理解していない人のための対策まで講じる」「ミスをしたときのリカバリー方法を事前に考えておく」といったバックアップの充実ぶりは変態的だと著者は言います。

中国流と日本流は「人をいらいらさせるけど、自分は楽か」か、「相手は満足するけど、自己犠牲を強いられる」の究極の二択であり、著者はそれぞれの良さと欠点をしみじみと感じています。

 

同じ「調整」という言葉でも、中国と日本では意味が真逆です。

中国には事前申込みという概念がなく、手帳の使用も少なく、当日やその場になって急に行動を決めるのが当たり前という価値観で、日本では考えられません。(行事も、直前にならないと日にちが決まらず、計画という概念がありません)

調整は日本では事前調整であり、中国では何らかのトラブルが起こったあとの「事後」調整であり、日本人からしたら「修正」や「帳尻合わせ」です。

事前の調整(根回し)に時間がかかりすぎ、実行されるときにはすでに時遅しという日本と、昨日まで白だったことが突然黒になる中国という極端さです。

 

日本では商売でも三方良し(買い手よし、売り手よし、世間よし)ですが、中国では一方的な搾取のような詐欺商売が称賛されます。

中国では立ちションが当たり前で、おむつも「中国 股割れ」「中国 尻割れ」で画像検索すれば衝撃的なおむつが使われており、田舎では今でも便器が並んだだけの「ニイハオトイレ」(トイレにドアや仕切りが設置されたのは比較的最近のこと)が普通にあります。

中国では、「生理現象に恥ずかしいも何もない」「尿意は公共マナーに優先する」という価値観です。

 

この本を読んで、中国は適当文化で、欧米も似ていて、日本人は緻密で「神は細部に宿る」文化だとしたら、日本人がスポーツ大国(野球、ボクシングなど多数)になるのも頷けます。

中国ではカンニングが当たり前で、「人が不正を働き利益を得ているのを見たら、自分もやる」傾向があり、日本の上級国民は中国人流だと思いました。

 

「仕事は大事だが、子どもはもっと大事」という価値観が中国なので、日本よりも子育てははるかにしやすかったと著者は言います。

著者の本の記録は、2010年(35歳)から2016年(41歳)までの6年間のうちの前半の年月のことが主に書かれています。

後半のことはかなり端折ってざっくり書かれていますが、そういう結末をたどったのか!と驚きです。

本の出版時(2024年)には、著者は50歳であり、過去を振り返って、本として出したということです。

なかなか面白い普通では読めない体験記でした。

 

崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ

👉 崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ(Amazonリンク)

評価★★★★

 

★2024年1月27日に読んだ小説「きこえる」

2024年1月27日に道尾秀介氏の小説「きこえる」を68ページまで読んで、損切りしました。

外部の特別なURLに音声動画がアップされており、小説の途中途中でその音声を聴くスタイルで、斬新な試みですが、肝心の小説の中身がイマイチで面白さを感じられなかったので途中で読むのを辞めました。

評価★

 

★2024年1月28日に読んだ小説「俺ではない炎上」

2024年1月28日に浅倉秋成氏の小説「俺ではない炎上」を82ページまで読んで損切りしました。

俺ではない炎上

👉 俺ではない炎上(Amazonリンク)

同じ著者の「家族解散まで千キロメートル」の小説(損切りした)でも感じたことですが、リアリティのない現実離れした設定で、その謎を知りたい、犯人を知りたいとは到底思えなかったのです。

僕がエンタメよりも役に立つという視点を重要視している価値観だからこそ、余計に感じたのかもしれません。

解く意味のない質問や問題設定に対して、労力をかけて回答を出したくないんですよね。

もしかしたら、この謎や犯人を知ることで、世の中や自分への教訓話として心に残る結論になっているのかもしれませんが、そこまで読み進める気力が湧きませんでした。

小説の場合は僕は積極的に損切りするようにしています。

 

そして、謎を知りたい、犯人を知りたいと感じた小説ほど、読了して実際に名作であることが多かったです。

根本聡一郎氏の「プロパガンダゲーム」は扱うテーマが明確で、プロパガンダについて学べるのかな?という期待がありつつ、この先の展開どうなるのだろうか?と思わせ、最後のオチも意外で満足がいく内容でした。

下村敦史氏の「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」も扱うテーマがタイトル通り、明確であり、この先どのような決着に落ち着くのだろう?と思いつつ、最後のオチもどんでん返しで満足がいきました。

同じくの下村敦史氏の「真実の檻」は重いテーマを扱っているけど、リアリティがあり、この事件の真相を知りたい、犯人を知りたいと強烈に感じつつ、オチも納得がいく内容です。

さらに、下村敦史氏の「同性同名」はこんな画期的な問題提起ができるんだ!という驚きと、それでもリアリティがあり、現実に起きても不思議ではないと思わせられるストーリー展開、そして二転三転の展開とオチで満足度が高かったです。

下村敦史氏は僕の中でチェックリストの小説家に入りました。

 

夕木春央氏の「方舟」は最初から、ミステリー小説にありがちな非現実設定であり、そこは十分納得したうえで、この結末はどうなるのだろう?と思いつつ、最後のオチにやられた!という内容だったので満足でした。

面白い小説の共通点として、以上のような要素があると思います。

一方、浅倉秋成氏の2作(僕が損切りした小説)は、この要素が欠けていました。

最後に、浅倉秋成氏の小説は3作読みましたが、1作を除いて損切りしたので、追いかけたい著者から外れました。

 

世の中を巻き込む論争やブームを作るにはこの視点は外せないのかなと。

自分に関係している自分ごとのテーマについては関心があるのは当然ですが、多くの他人まで関心を持つとは限りません。

夫婦別姓問題なんて、ほとんどの人はどうでもいい些細な問題だと思っているでしょうが、政治家はそうは考えておらず、こんなテーマで揉めています。

AIブームはAI失業(ホワイトカラー失業)や生産性とかなり関係がある上に、人間自体の役割や意義について考えさせられるので、重要テーマだからこそ、関心がある人が多いです。(実際に、AIツールを日常的に使い、触れている点も大きい)

 

というふうに、82ページで損切りして終わりにしようと思っていたのですが、以下の流れで再読し始めました。

フジテレビ問題で、ひろゆき氏がYouTubeでX子さんはフジテレビプロデューサーのA氏の仲介により、中居くんに会ったのではなく、中居くんの家に直接行ったと話していて、だからこそ、慎重に考えるべきと言っていたのです。

当時、僕は週刊文春を読んでおり、内容と異なっていたため、ひろゆき氏はデマを流しているなと思いました。

しかし、2025年1月28日に週刊文春の電子版にしれっと修正で、A氏は介入しておらず、中居くんの家にX子さんが行ったとなっていました。

 

なぜ、ひろゆき氏はこの情報を知っていたのか?ある意味、インサイダー情報?で情報を取得していたからこそ、普段はどちらかといえば決めつけ論法が多いのに、今回はかなり慎重でその根拠が上記をもとにしており、ひろゆき氏はどこかでこの情報を入手したと推測しました。

1月27日からの約10時間も続くフジテレビ会見の記者はこの情報を知りませんでした。

このことから、インサイダー情報?のように、独自に情報を知る人がいて、それを匂わせて主張するケースがあるのだなと教訓になりました。

 

このケースから、炎上をテーマにしたこの小説にも何かヒントがあるかもしれないと思い直し、再読してみることにしました。

しかし、195ページになってようやく展開が面白くなり始め、そこまでは拷問のように退屈できつかったのです。

しかも、リアリティに欠けていて、ご都合主義でストーリーが展開していくので、この先、本当に面白くなるのだろうか?何か得るものはあるのか?と疑問を抱きながら読みました。

 

363ページまで、最後まで読了した感想は「意味がわからない」でした。

過去に200冊以上の小説を読んでいますが、ほぼ真相や謎や犯人を理解し、納得して読了するのですが、今回の小説で初めて真相も謎も犯人もよくわからないまま読了した形となりました。

どこか途中で見落としていたり、理解不足な箇所があったのかな?と振り返りますが、さすがに再度読み返す気力はありません。

82ページまで読んで損切りしておけば良かったかなと思いつつ、こんな意味不明な小説があるのか!という悪い意味での斬新な小説の存在を知り、初体験でした。

とはいえ、363ページも読んだのにもかかわらず(途中、損切りしようとした)、こんな結果に終わったわけで、星は一つとします。

 

解説記事を発見して、これは叙述トリック(初耳)だったのか!と知って、それならば話がつながると後で気づくという有り様です。

なんというか、損切りしていたら、こんな体験もできなかったのかと思うと、駄作とはいえ読んで損はなかったのかなと感じます。

 

また、Amazonレビューなどでは絶賛されており、僕の感想と乖離していました。

思えば、叙述トリックの代表作とされる我孫子武丸の『殺戮にいたる病』を20歳ぐらい?のときに読んで意味がわからなかった思い出があります。(当然、面白さもわからなかった。だけど、評価が高い)

これと同じ現象が再び起きたのでしょう。

叙述トリックと相性が悪いようです。

 

俺ではない炎上

👉 俺ではない炎上(Amazonリンク)

評価★

 

★2025年2月18日に読んだ小説「Phantom」

2025年2月18日に羽田圭介氏の小説「Phantom」を読了しました。

Phantom ファントム

👉 Phantom(ファントム)(Amazonリンク)

 

主人公華美(32歳)は年収200万円で、過去7年間で元手800万円ほどで日本円換算で年約80万円の配当を生み出すシステムを構築している女性です。

そして、目標資産は5000万円です。

なぜなら年利5%で運用すれば250万円の配当収入が得られるからです。

つまり、プチFIREを狙っています。

 

また、序盤から惹きつけられるテーマがあります。

それは橘玲氏が解く「人的資本、金融資本、社会資本」のリソース配分や、華美の彼氏がハマるオンラインサロンの信用経済圏問題(貨幣経済とは距離を置く)、華美のプライベート(実家や友達や彼氏)、FIREをできるのか?など、結末への興味がそそられます。

また、華美の心理描写は著者の知見が反映されているのでしょうが、妙にリアルであり、ニヤニヤしながら読んでいる自分がいます。

173ページしかないのに読み応えがかなりある不思議な小説です。

2021年7月の作品ということで、「その頃、FIREが話題になったっけ?」とググってみたら、2021年には若者を中心にムーブメントになったとありました。

 

読了した感想は以下です。

エンタメ作品の多くは非日常系が多く、序盤は盛り上がりに欠け、終盤から伏線などを回収しつつ、盛り上げていく構成だと感じます。

一方、今作は日常系作品であり、序盤は面白かったのですが、後半は無理やり事件を起こすことやオチを作るのが難しく、盛り上がりに欠けたと感じました。

序盤で「この先どうなるのだろう?」と期待感を抱かせる、そういう作品ほど後半も面白い傾向にあると思っていましたが、日常系作品には当てはまらないのだなという発見です。

とはいえ、中盤までかなり楽しませてもらいましたし、読んで良かったと思える小説なので星4つとします。

幸福について考えさせられる小説です。

羽田圭介氏の小説を初めて読みましたが、他の作品も気になりますね。

 

Phantom ファントム

👉 Phantom(ファントム)(Amazonリンク)

評価★★★★

 

★2025年2月18日に読んだ小説「人財島」

2024年2月18日に根本聡一郎氏の小説「人財島」を読了しました。

人財島

👉 人財島(Amazonリンク)

2020年9月の作品です。

2025年からは5年前ですね。

主人公が「人財島」なる研修施設へ出向を命じられましたが、そこは生産性の高さによって人々を区別し、上位者のみ退出を許す悪辣な追い出し島というストーリーです。

 

418ページまである中、227ページまで読んで大体の話のストーリーが見えてきたところで「損切りするか、続きを読むか?」に悩みました。

この架空の人財島のシステムはある程度理解しましたし、主人公らが「この島から脱出できるのか?」には興味はありますが、なんか映画の「カイジ」と似ていて先が読めそうな展開です。

あまりにも中途半端で「この先、驚くような結末やオチや教訓があるのか?」は不明で、半分近く読んできたので惰性で読み進めることにしました。

ここまで読んで10代や20代前半ぐらいなら、ためになる教訓話が多いのでしょうが、すでにおっさんなので得られるものがほとんどない、つまり新規性に欠けていて退屈という印象です。

 

269ページでようやく一つの謎が提起され、続きを読みたくさせるトリガーがでてきましたが遅すぎます。

しかし、読了した感想でいうと「こういう結末になるのか!」という意外性はかなりありました。

著者の「プロパガンダ・ゲーム」を読んだ際にも感じましたが、著者は世の中の闇を熟知しており、預言書のように告発的な著作を書いているのかもしれません。

この作品が2020年に書かれていたという事実は注目に値します。

とはいえ、前半はずっと退屈だったので、評価は辛めで星3つにします。

 

後半の巻き返しでトントンになった小説でした。

著者の作品はほとんどがKindleUnlimitedであり、会員ならリスクがなく、無料で読めます。

著者はメディア関係者やその他としらがみがないからこそ、このような作品が書けるのかもしれません。

(読んで損はない作品ですが、強烈にオススメできるかというとね)

 

人財島

👉 人財島(Amazonリンク)

評価★★★

 

★2025年2月に読んだノンフィクション「気がつけば40年間無職だった。」

2024年2月に難波ふみ著のノンフィクション「気がつけば40年間無職だった。」を読了しました。

気がつけば40年間無職だった。

👉 気がつけば40年間無職だった。(Amazonリンク)

無名の一般人、そして40年間無職だった41歳女性の体験記です。

感想は「こんな女性がいるのか」「こんな人生があるのか」という感じです。

精神薬を飲みすぎて太りすぎて、9キロ痩せて、リバウンドし、その後、痩せられないという悩みは精神薬を飲んでいる人あるあるの悩みです。

精神薬を朝に1種類2錠、夜に8種類12錠はさすがに飲みすぎでしょう。

さらに、暴れてしまうときのために頓服薬の処方と、月に1回注射もされているそう。

精神薬漬けという精神科の闇のような事例な印象です。

243ページある中の228ページまではなんとなく惰性で読んでましたが、その後のラストは悲劇でして、逆境下にある自分にはきついですね。

似たような悩みや境遇にある人も世の中には多いでしょうが、この話を読んでも逆にきつさが浮き彫りになり、改善策も書かれていないため、辛いだけでしょう。

いわゆる「女性のひきこもり」「中年無職」「8050問題」「介護貧困」などです。

こういう人こそ、僕のスマート消費術は役立つでしょう。

(ダイエット・筋トレは誰でもできるわけではなく、特に精神薬を大量に飲んでいたら痩せられません。AIカウンセリングの活用やGravityで孤独解消などの手法を知ればQOLが上がるのでは?と)

 

ここからはひろゆき氏とひげおやじ氏の共著について書きます。

ひろゆき氏とひげおやじ氏の共著「あたらしい生き方」もおそらくYouTube動画の天下一無職会の企画を本にしたもので、無職本という共通点がありました。

無職の多様性を垣間見ることができ、「無職は恥だ!」と思い込んでいる人は一読してみてもいいかもしれません。

計画的ヒモの話やブラック企業に対する計画的給料ゲット術(会社都合の「働かせない」は給料未払いの労働審判ができる。マックスの2年で300万程度をゲット)や頑固な定時厳守・サビ残拒否で精神を病み、休職手当生活の事例はすごいです。                                         

下を見て「自分はまだマシだった。幸せなほうだ」と思うのは逆境下の一時的な鎮痛剤に過ぎませんが、重要な考えでしょう。

中国本のノンフィクションの「崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ」も、中国と比べたら、日本の無職やニートはマシで幸福だなと感じられます。

 

また、無職になりたくてなった無職肯定ライフは最悪の崖っぷちに陷っても「こういう生き方があるのか!」という話として知っておくのも厳しい現代では大事かもしれません。

ひろゆきは家賃を除いて生活費が月に8万かからない、「お金は他人が出すもの」と言っており、自分の同士を増やすために生活保護の勧めやベーシックインカムを推奨しているのだなと納得しました。

無職にはなりたくてなった積極的無職と、なりたくなかったけど事情があって無職になった消極的無職がいて、ひろゆきは金持ちだけど本来は積極的無職体質なのだなと。

生活保護は消極的無職のため、つまりセーフティネットとしてあるべきで、だからひろゆきの意見に違和感を感じ、賛同できなかったのだと気づきました。

積極的無職にセーフティネットが食い散らかされると、日本は持ちません。

 

消極的無職は稼ぐための種まきを実行しており、現在の苦境から抜け出す意思があります。

一方、積極的無職は現状維持で、種まきも大してせず、ぶら下がることを狙っている違いがあります。

ハリーポッターの1000億円以上を稼いだ著者が生活保護出身だったのですが、消極的無職でしょう。

積極的無職から、そんな人が現れるとは思えません。

 

そもそも消極的無職派は生活保護や無職生活を心底エンジョイできず、早く抜け出したい、もしくはもう少し稼ぎたいという強い意欲があります。

(これが無職には才能がいる論です)

で、この本に載っている事例は積極的無職がけっこういて、それらを支持しているひろゆきとひげおやじさんの価値観にどうも違和感を感じました。

まぁ人生は負け組で最低限の生活になったけど、持病があるし、稼ぐ道を必死に追い求めたけど無理だったという境地なら消極的無職の開き直りです。

一方、最初からフリーライダー(タダ乗り)で稼ぐ道は追わず、現状維持でぶら下がりを狙い、この貴族生活を謳歌な積極的無職生活とは価値観が異なります。

セーフティネットとは消極的無職のためにあるものであり、積極的無職のためにあるわけじゃないでしょう。

だからこそひろゆきの生活保護の勧めやベーシックインカム推進に違和感を感じていましたが、今回、言語化できました。

 

と書いてきましたが、ひろゆきとひげおやじさんの2人とも、セーフティネットとしての一時的な休養の場としてのセーフティネットに同意でした。

で、生活保護から一生抜け出せない人についての意見でひろゆきが超絶無能が働きたいと思っても無理だからそれでいいのでは?と言っています。

50歳の鬱的な生活保護の人と65歳以上の年金の手取り13万円の人の生活レベルはほぼ同じで、働きたいと思っても働けないのは一緒であり、50歳の鬱でだめな人は65歳でも同じ状態だといいます。

ただし、医療費、介護保険、雇用保険、住民税、年金保険、NHKの受信料などが生活保護者は無料なので、生活保護のほうが有利です。

ひろゆきの理想として、低収入で無理やり働く人がいない状態で回るシステム作りに注力し、それを輸出すれば儲かるといいます。

(他国に自動運転は先をこされましたが、介護の自動化やコンパクトシティ(要介護者はこの地域に住んでくださいなど))

 

あとは国債でGoogleとAppleの株を買いまくるなども提案しています。

しかし、積極的無職(ひたすら生活保護でラクして生活する)をありだとひろゆきが言っているのも事実。

新しい情報取得やチャンスに飛びつくには暇が必要で、それは無職だという根拠も言っていますが。

(行動力のあるニートには一発逆転の可能性がある)

 

だけど、ひろゆきは生活保護受給が増えすぎると日本の財政がやばくなるのは理解しており、「無能が生活保護受給をとるのは早い者勝ちですよ」という立ち位置のようです。

だから、やはり基本的に「積極的無職」を推奨しているのでしょう。

 

以下のひろゆきのXのポストを見て、立ち位置や視点の違いを感じました。

「努力できるのは才能」「ひろゆきは努力する才能がないけど、工夫や攻略法で成功」

その方法として、生活保護を取れ!は極端でしょう。

僕はいかに楽をするか、効率よくやるかについて相当に工夫し、それすらも努力する才能と捉えられるのでしょうか?

また、筋トレを1年間継続できる人は4%ぐらいであり、僕は実践できるので努力できる才能があるのでしょうが、楽をする、うまく手抜きをする、効率化、抜け道探しも努力の才能がないとできないのでしょうか?

さすがに自分の経験談からくる自己主張の度が過ぎていると感じます。

 

努力の才能がない人は生活保護を取るべきで、努力の才能がある人やコツや攻略法で賢く器用に生きる人(これも才能の一種な気が)にぶら下がり生きろ!となりそうです。

「努力部分は才能だから、報酬はなしね!」と言われたら、その人は努力をやめ、そうしたら能力は開花しないわけです。

いっぽう、努力をそこまでしなくても才能がある人は才能だけである程度の成果を出せて、報酬はもらえます。

もちろん、努力と才能は割合の問題で、才能3割・努力7割だと思っている人は努力の重要性を語り、才能7割・努力3割の人は努力は才能論を語るでしょう。

そして、努力は才能だよ、そこの報酬はないよ!と言われたら、努力派の人はやる気が失せます。

世の中に良い影響はないのでは?

 

努力と成功との関連性については以下の動画の考察がかなり示唆に富んでいます。

世の中では「諦めなければ努力が実り夢が叶う」と言う人もいますが、実際諦めず努力を続ければ本当に「努力が実り夢が叶う」のでしょうか?

 

僕は内心の思いとしては努力をしたと思っていますが、努力の質が異なります。

僕の努力はリターンがなるべく得られること(意思決定と方向性の模索と追求)の見極めと、成果が出るまでの試行錯誤と工夫(リターンを最小限で得るための楽や手抜きをする努力)です。

つまり、他の人が僕が無駄だと思う行動(リターンが得られないような実学じゃない趣味のようなものや、ダラダラと過ごす時間)を極限まで減らして生きてきたので、それはしんどいことも多いのです。

その過程で、この活動自体がライフワークになり、趣味化したので、負荷が減り、楽になったという経緯はあります。

ひろゆきはダラダラと過ごす時間(ゲームなど)も多いうえに、元々の楽天家気質で、試行錯誤と工夫自体はしていても、リターンや成果を得るという意識が薄いのが僕との努力感の相違かなと感じます。

あとは、情報搾取や監視などのストレスを浴びながらの人生だったので、相当な苦労を感じています。(こんな苦労や正常を保つ努力はいらない)

 

巻末には特典として「生活保護申請マニュアル」が載っています。

 

気がつけば40年間無職だった。

👉 気がつけば40年間無職だった。(Amazonリンク)

評価★ 

 

★2025年2月15日に読んだノンフィクション「「心のない人」はどうやって人の心を理解しているのか」

2025年2月に15日に横道誠著のノンフィクション「「心のない人」はどうやって人の心を理解しているのか」を読了しました。

「心のない人」は、どうやって人の心を理解しているか──自閉スペクトラム症者の生活史

👉 「心のない人」は、どうやって人の心を理解しているか──自閉スペクトラム症者の生活史(Amazonリンク)

「心のない人」とは自閉症スペクトラム症の人を指しています。

「彼らは創作物を大いに活用することで人の心を理解しているのでは?」と著者が気づき、その仮説を確かめるべく、たくさんのASD(自閉症スペクトラム症)の人にインタビューをした本です。

また、ASDと定型発達者はそれぞれの共感のOSを持っており、それはいわばWindowsとMacの違いのようなものだと言います。

(二重共感問題理論でもあります)

 

二重共感理論とは「定型発達者もASDへの共感に失敗しているじゃないか?」という理論です。

2020年に発表された論文では、9チーム(8人で1つのチーム)のうち、3チームは全員がASD、別の3チームは全員が定型発達者、残りの3チームは混合型に分けて伝言ゲームを行ったら、前者2つのチームの成績は高く、混合型だけが低い成績でした。

つまり、ASDと定型発達者の共感の仕組み(あるいは想像力の仕組み、心の仕組み)に差異があるということです。

ASDを「異常だ!」と定型発達者が一方的に貶めてきたわけです。

 

さらに、ASDがASDらしくない挙動をし、それは「健常者に擬態」や「カモフラージュ」と呼ばれ、注目されてきました。

つまり、ASDがカモフラージュできるということは、周囲にいる人の反応を参考にしながら、自分の言動を定型発達者っぽく修正できることを意味しています。

それは他者の心のありようを推察し、想像力を駆使する精神活動があるということです。

で、ASDの人たちがいかにして人の心について学び、社会に適応してきたか、加えて創作物の影響についてインタビューしている本です。

 

思えば、僕もASDっぽいところがありますが、幼少期から人と積極的に絡み、人の心理を学ぶよりも創作物を好んで見て、学んでいたような気がします。

 

本編ですが、二人のマコト(マコトAとマコトB)が、ASDの人の自伝?について、ツッコミや解説を入れるという構成です。

(このマコトAとマコトBが誰なのか?は最後に明かされており、著者の分身だそうです)

つまり、7人のASDの人の自伝?(インタビューに基づく)について、解説を入れるのですが、ASDの人と対談したわけじゃないので、あくまで憶測な部分がかなり残ります。

ASDの人たちがいかにして人の心について学び、社会に適応してきたか?の謎の解明には物足りないです。

創作物の影響についてはASDの人が見てきたコンテンツをたどることにより、多少は分かることがあるのでしょうか??

(アラフォー、アラフィフじゃないと知らないコンテンツがたくさんでてきますので要注意。この本に登場するASDは宇宙世紀ガンダムシリーズをよく見ており、教養や文化資本という扱いだった模様)

 

106ページまではある程度熟読し、その後は拾い読みやざっと読みで済ませました。

 

僕が危惧していたことが言語化されていて驚きました。

創作物はあくまでフィクションなのですが、ASDはそれらをたくさん受容することにより、世の中のことがよくわからなくなる、つまり「現実と虚構の区別がついていない人」になってしまう可能性が高いという仮説です。

ですから、創作物は僕らの理解力を向上させる反面、混乱もさせます。

そのような両義的なものから、ASDは人の心について必死に学んでいることになると。

僕も途中から、フィクションから学びすぎたら、現実認識が逆におかしくなると気づきましたからね。

 

特に、日本のフィクションは美談というか、きれいに描かれすぎで、世の中の闇や汚い部分はけっこう隠していると途中で気づきました。

非日常であり、爽快感を感じるエンタメですから、日常の嫌な部分を追体験するのはニーズが少ないのかもしれません。

今となっては暴露されていますが、芸能界の枕営業やジャニー喜多川事件、さらにトランプ政権により暴露されたUSAIDの件など、想像以上に世の中が腐っていました。

フィクションに浸っていたら、現実認識がおかしくなりますね。

 

それ以来、映画は年に3本みれば良い方で、漫画はほぼ読まず、小説だけは瞑想効果も感じるのである程度読んでいます。

フィクションよりノンフィクションのほうが好きで、なぜなら現実そのままが描かれているからです。

とはいえ、宇宙世紀ガンダムシリーズは現実世界で活かせたので、見ておいて良かったです。

 

本の内容自体はグダグダと書かれており、得られるものはあまりないですが、「ASDは創作物から積極的に学んでいるのではないか?」という視点に感銘を受けたので、星2つにします。

 

「心のない人」は、どうやって人の心を理解しているか──自閉スペクトラム症者の生活史

👉 「心のない人」は、どうやって人の心を理解しているか──自閉スペクトラム症者の生活史(Amazonリンク)

評価★★

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA