どうも、太陽です。
私が見た「令和の虎 医療系版」に登場した23歳の志願者・石井氏は、相当に社会不適合者だと感じた。彼は「政治家になり、日本医師会を解体する」と挑発的な発言を繰り返したが、その姿は危うさに満ちていた。
【前編】挑発的な発言にざわつくスタジオ…政治家になり日本医師会を解体したい【石井雄己】[14人目]医療系版令和の虎
【後編】「他責にすんな!」虎の怒号が響く。政治家になり日本医師会を解体したい【石井 雄己】[14人目]医療系版令和の虎
彼はまだ23歳という若さながら、自分を賢いと過信している。しかし、メタ認知力や客観視力が欠けている人ほど社会不適合者になりがちだ。
虎側の女性は28歳と若いが、大人の対応をしていた。同じ場にいた24歳の男性の虎も冷静に振る舞っており、年齢よりも修羅場や経験の差が精神的成熟を決定づけるのだと実感した。
志願者は「政治家になりたい!改革をしたい!」と主張しながら、自分の言葉で説明する力を持たず、周囲のサポートでどうにか相手を納得させるという展開が続いた。
政治家とは本来、人々を支援し奉仕する側の存在である。だが、この志願者にはその資質がまったく見られなかった。彼が本当に訴えたかったテーマは「若者の学業不振と自殺率の高さ」であったが、これは社会問題というより、自身の悩みを投影しているにすぎないように見えた。
虎からも「自分の至らなさを省みず、社会のせいにしているのではないか」と指摘されていた。
さらに、彼は審査員のことを「金を持った成金」と表現し、政治家になったとしても票を得る対象にはならないとまで言い放った。だが、それは出演している虎をバカにする行為に等しく、当然怒りを買う結果となった。
態度は幼稚園児並みであり、政治家に必要な資質とは程遠かった。
彼の私生活も不安定だった。23歳で大学受験の結果待ちの身で友人宅に居候し、もし不合格なら親の金でイタリアへ移住すると語っていた。その理由は「日本では問題が生じるから、死ぬならイタリアで」とのことだった。
だが、政治家を目指す前にまずは身の丈を知り、スマート消費術で最低限の生活を営む力を身につけるべきではないかと思う。
志願者が令和の虎に出演した理由は、出たくもないアウェーの場で医療問題を認知させたいからだという。25歳で立候補の資格が得られるまでの間に、ネットで拡散されることで知名度を高めようとしたのだろう。
悪名は無名に勝るという考え方だ。しかし、これで本当に政治家として票を得られるかといえば、極めて疑わしい。
彼はまた、大学受験の失敗による若者の自殺を問題視し、受験塾を経営している虎を批判していた。しかし、批判するだけでなく、改善策を考えるのが筋ではないのか。現実にはレールから外れたとしても抜け道はいくらでもある。
ところが彼は「レールに乗れなければ死ぬしかない」と狭い視野に囚われていた。抜け道を探す力も工夫も創造力もなく、サバイバル能力が欠如している証拠だ。
虎からは「能力もないし、自立もしていない。愛嬌もない。だから残念な人物だ」と辛辣な評価を受けていた。確かに、この動画には世の中の縮図や闇の部分が凝縮されていたように思う。
「メンターがいれば変われるかもしれない」という指摘もあった。親が裕福であれば100万円程度でメンターを雇える可能性もあるだろう。しかし、本人が心の底から尊敬できる人の言葉しか受け入れないようでは、改善は難しい。
そもそも家庭教師がいなければ伸びない人間は頼りない。独学と自力で成長する力を持つ者こそ、最終的に出世するのだ。
この志願者に限らず、多くの人は理想の自分と現実とのギャップに不満を抱き、社会や親、他人、金、遺伝などのせいにする。確かに他責の要素も存在する。巻き込まれ被害のように避けられないケースもある。
しかし、最後にどうにかできるのは自分しかいない。
私自身も集団ストーカーやハッキング被害を受けた経験がある。だが、高額で無意味なマルウェア調査や警察や探偵に頼るのではなく、自分でセキュリティを学び、毎月5万円以下という限られた予算で解決してきた。
結局、自力で切り抜けるしかないのだ。
令和の虎に登場した志願者の姿は、未熟さや危うさを如実に示していた。しかしそれは決して他人事ではなく、社会の縮図である。
人は理想と現実のギャップを他責にしたくなるが、最後に頼れるのは自分のサバイバル能力であり、自力で学び、切り拓く姿勢だ。
23歳の若者に映った社会不適合の影は、私たち自身への問いかけでもあるのだ。